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――世の中の企業の大半は中小企業です。知名度がない企業が新卒採用するに当たって注意すべき点は何でしょうか。
杉浦中小企業は採用人数も少ないし、そもそも社員数が少ない。私は「社内の労働市場が小さいか大きいか」とよく言うのですが、大企業であれば社内の労働市場が大きいので、どんな人が採用されたとしても内部の労働市場が吸収してくれる可能性が高いんです。配置転換などで対応できる。中小企業の場合は労働市場が硬直化してしまって、採用のミスマッチが起きた時に機能しない可能性が高い。だからピンポイントできちんと採用していかなければならないし、採用をデザインしなければならないのは、むしろ中小企業。でも、中小企業は採用に使えるリソースが少ないし、差別化できていない会社もたくさんある。
そんな中で、リクナビには2万社も載っているわけです。2万社から自分の会社を見つけてもらうというのは大変です。無策にただ載せるだけでいいのか?と考えると、やはりそれでは難しい。であれば、自分達なりの見せ方を考えていかないと埋もれてしまうのは確実です。
――埋もれていた企業が自分達を見つけてもらえるようにすることは可能でしょうか?
杉浦いくらでも。ナビ情報に頼らず戦ってきた会社や、地方の中小企業だけど独自のやり方で採用を確保してきた所もありますね。そういった会社に共通するのは、採用担当者が非常に高い意識を持って独自の採用をやっている、ということです。
――では、学生からすれば、知らない企業は「知らせようと努力していない企業」なのだから知らなくても良い、ということですか。
杉浦そうですね。
――学生が無理に探す必要はない。
杉浦と言うより、「発見できないのは探さない学生が悪い」というロジックはあり得ないでしょう。
――学生の側に大事なのは数をこなすことだけど、その中で出合うことができなかった企業のことは割り切って良い、ということですね。
杉浦大事なのは、まずは「働く」という事であって、語弊があるかもしれませんが、どこの会社でも良いから働いてみることです。変なこだわりを持って、「自分が納得しないと働かない」というのではなく、とりあえず採用された会社で与えられた仕事を一生懸命頑張ってみる方が、結果としてスキルが身につくし、深さも出てきますから、トータルで考えればプラスになると思います。
――出合いには運もあるのでしょうね。出合った会社で、まずは迷わず進め、ということですね。
杉浦そうです。まず働きましょう。